原子力災害伝承館は真実を伝えよ(その4)
原子力災害伝承館に質問をしていたところ、見かけは丁寧な回答が届いた。しかし、単にUNSCEAR2020/2021報告の中身を提示してきただけのお粗末なもの。そこで以下、回答と要請を提出した。
原子力災害伝承館
佐藤部長さま
cc××学芸員さま
cc福島県・企画調整部・生涯学習課
高橋健主幹さま
××××主任主査さま
お忙しい中、ご回答頂きありがとうございました。
UNSCEAR2020/2021報告書には120か所もの間違いがあるにも関わらず、そのUNSCEAR報告書の記事をそのまま送付する事は、回答になっていない事は明らかです。この回答は高村氏の助言によるものでしょうか?(この回答は高村氏からの回答である事を確認済)
日本の疫学の第一人者からも、高村館長の無能さ(これは原子力災害伝承館の無能さと同義です)には呆れて、以下のようなコメントを送ってきました。
『これはチェルノブイリで甲状腺検査を受けた人々(子どもたち)の年齢層が若かっただけです。高村先生が割り算を分からなかっただけです。データ見ればすぐに分かります。』
『誤りだらけで、誤りが多すぎます。そもそも原発事故前は「放射線疫学」なんて一言も言わなかったのに、事故が起こった後は「放射線疫学」の専門家にいつの間にかなっていました。因果関係も全く知識がないのに、事故後は「因果関係について」テレビの前で堂々と語り始めました。基礎知識はほとんどないと思います。公開討論でも良いですよ。』
そこで改めて以下の3点(1~3は一つ)を、改めて要請いたします。
- チェルノブイリで甲状腺検査を受けた年齢別の人数(当然年度別にも)
- 福島県内で甲状腺検査を受けた年齢別の人数(当然年度別にも)
- 上記1、2で年齢別(年度ごと)に甲状腺がんが発見された比率
- 高村昇氏(+鈴木元氏も加えてのOK)と某疫学者+αとの公開討論会の開催
(原子力災害伝承館としての、公なイベントとしてでもOK)
※高村氏以外に鈴木元氏らが加わってもOKです。
5.無能な高村昇氏の原子力災害伝承館館長の辞任
※パネル展示内容があまりにも事実と異なり歪めている。この混乱や間違ったパネル展示に関して、館長の高村昇氏の責任は重大である。その責任を取るべき。
【高村氏は原子力災害伝承館の館長を辞任せよ】
https://yuyujinsei2.seesaa.net/article/2024-10-12.html
--以下が原子力災害伝承館(高村氏)からの回答ーーー
×× ×様
東日本大震災・原子力災害伝承館の佐藤です。
>UNSCEAR2020/2021報告書が依拠している論文を提供してください。
とのご質問について、特にパネル展示に関係する箇所について以下のとおり回答します。
当報告書のパラグラフ222(83ページ)に
222. これら全ての統計的検出力の分析により、放射線被ばくに帰因する甲状腺がんの過剰リスクは、どの年齢層においても識別できる可能性はほとんどないことが示唆されている(補足資料A-23参照)。
例えば、初期被ばく時に子宮内胎児から5歳までであった女性が最も感受性の高いサブグループを構成している。このサブグループについては、想定したリスクモデルによって、推定被ばく線量からは16~50症例程度の甲状腺がんが放射線に帰因すると推測され得た。
これに対して、甲状腺がんの体系的な集団検診がなければ、生涯にわたって観察される甲状腺がんは、福島県での平均値として約650症例(95%信頼区間は約600から700症例)であろう。さらに、被ばくの無い都道府県で見られる甲状腺がんの発生率の広範なばらつき(60%を超える)は、自治体のような、より小さな地理的単位ではさらに大きい可能性があり、放射線リスクを識別する能力を制限するかなりの統計的「ノイズ」を発生させるであろう。
統計的検出力の分析によると、甲状腺がんのより大きく不確かなベースライン数の中では、50症例以下の過剰は検出できないであろうということが示された。FHMSにおける甲状腺がんの30歳または40歳までの発生については、福島第一原発事故時に子宮内胎児から5歳、または6歳から18歳の年齢層の子供であった人々の分析では、過剰な甲状腺がんが、30歳または40歳のいずれかまでには識別できる可能性がありそうだとは示されなかった(補足資料A-2照)。
とあり、
A-2
https://www.unscear.org/unscear/uploads/documents/publications/UNSCEAR_2020_21_Annex-B_Attach_A-2.pdf
A-23
https://www.unscear.org/unscear/uploads/documents/publications/UNSCEAR_2020_21_Annex-B_Attach_A-23.pdf
が参照されていますので、これらが根拠となる論文になります。
また、パラグラフ226(c)(84ページ)に
(c) チェルノブイリ事故後[T35]および放射線外部被ばく後[L12]の両方の調査において、甲状腺がん発生頻度の大幅な増加は、小児期早期(5歳未満)に被ばくした人々において見られた。
日本人の原爆被爆者の寿命調査において、甲状腺がんのリスクは、小児期早期に被ばくした人々の間で最も高く見られた[F23]。チェルノブイリ事故後と福島第一原発事故後の最小潜伏期間を経過した以降では、被ばく時点の年齢別の甲状腺がん分布に著しい差異があった。
すなわち、チェルノブイリでは放射線に関連する数多くの症例が0歳から4歳までに被ばくした小児に発生した[T35, U15]のに対して、福島県で0歳から4歳までに被ばくした小児については、検診の最初の4巡目までで1症例のみであった(図XXI参照)[F7]。
小児期早期は放射線被ばくによる甲状腺がんへの感受性の高い時期であるため、小児期早期のがんの数が比較的少ないことは、福島県のがんが放射線被ばくよりもむしろ主に到達年齢に関連していることを暗示している。
とあり、
T35
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4195412/
L12
https://academic.oup.com/jcem/article/102/7/2575/3063794
F23
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3910094/
U15
https://www.unscear.org/docs/publications/2017/Chernobyl_WP_2017.pdf
F7
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/401334.pdf
これらが参考文献となります。
よろしくお願いいたします。
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