廃炉40年は不可能!

原子力損害賠償・廃炉等支援機構主催の廃炉に関する対話集会が福島県内各地位で開催されている。昨日、川俣町で開催された対話集会に参加してみた。廃炉等支援機構からの説明者は執行役員・廃炉統括グループ長の池上氏と元原子力規制委員会長の現在、廃炉等支援機構の上席技監の更田氏。

住民の参加者は4名。その為、廃炉等支援機構(元原子力規制委員長)の更田氏と約1.5時間、1:1の対決(対話)!ができた。すぐ横(1mも離れたいない)に東電とエネ庁の役人が鎮座。これだけ近くで、長時間の議論。相手は逃げられない(笑)。しかも住民側の参加が4人と少ない為、ほぼ独占的に1:1の対決(対話)ができた。名刺交換もでき、今後は情報を提供予定。

対話集会の模様は以下のYou Tubeで観れる(29:20~が質疑応答:音質が良くなく、聞き取りにくい!)
https://www.youtube.com/live/nv7M699_ZVM?t=220s
今回の参加の目的は以下の3項目を確認する事。
(回答できない事は承知で(涙)・・・)

①廃炉の定義
②廃炉の完了時期
③廃炉にかかる総額と誰が負担するのか。

結局上記3項目の質問に対し、満足のいく回答は得られなかった。
更田氏は廃炉の定義について個人的見解としながら『放射性廃棄物が人の手で管理できるまで』との回答であった。廃炉の定義については日本政府(経産省)も東電も未だに明確に定義付けしていない。福島県民や国民は更地になる事が廃炉であると勘違いしているはず。放射線量が年間0.3mSv以下(追加被ばく線量と解釈)となり、その土地が戻ってくる事。例えば公園にでもなる事を想定しているはず・・

しかながら現実は放射性廃棄物の行き先が決まっていない。高レベル放射性廃棄物は
敷地内に保管され続ける事となる。
昨年8月に東電に対し公開質問していた『廃炉の定義』に関し、東電からの回答を読み上げたところ、更田氏も苦笑い。東電の回答の『廃棄物対策の実施』も、あまりにもあいまいであり、最終目標がない事にあきれ顔。

公開質問への東電からの回答が以下。
『福一の「廃炉」は(放射性物質のリスクから人と環境を守る為の)継続的なリスク低減を進める事であり、具体的には、汚染水対策、処理水対策、プール燃料取り出し、燃料デブリ取り出し、廃棄物対策の実施。』


詳細は以下のブログをご覧ください。
【東電が考える『廃炉の定義』に唖然】

https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2023-08-09


小生の質問に対する、更田氏の回答には40年廃炉は絶望的(不可))である事が理解できる。

『廃炉の実績がない。更地にした実績はない。スリーマイル島も廃炉が完了したとしているが、1%の高レベル放射性廃棄物が残っている。


本格的デプリ取り出しの方法は数種類の方法が必要であり、その設計はこれから・・
本格的取り出しには、原子炉建屋の横に通り出す機器やオペレーションする為の建屋が必要であり、建屋を建てるには、原子炉建屋周辺の整備が必要だが、13年経過してもほとんど進んでいない。従い原子炉建屋周辺の環境整備だけでも相当の年数が必要。新たな建屋建設にも数年から10年かかるだろう。』
更田氏の解説からも40年の廃炉は絶望的!(不可能!)

いずれの質問にも明確な回答を示す事なく、第三者の評論家のような回答。期待はしていなかったが(笑)・・
それにしても政府や東電が示すロードマップ(30年から40年で廃炉)は原発事故当初から変えていない。今が第3期の最終段階にきているような錯覚を起こすが、103万円の壁の交渉で国民民主がいう、また2cmどころか2mmも動いていない。第3期の詳細日程、マイルストーンがまったく分からない。
中長期ロードマップにちては以下の資料の13頁ご覧ください。
https://dd-ndf.s2.kuroco-edge.jp/files/user/pdf/activity-report/taiwa/pdf/2024a_doc.pdf

本格的取り出しの機器のイメージはまったく分からに。1日1gなら250万年かかる。人類は絶滅している。仮に6年間で取り出しには、1日500kgの取り出しが必要になる。そのような取り出し器具(機器)の開発状況も不明のまま・・・
電車は走らせたが終着駅がどこだかわからない。終着駅までの距離も、かかる時間も分からないまま・・・闇の中を手探りで走っている状態だろう・・・
 
汚染水海洋放出に関する『正当化』に関する政府(経産省)の判断プロセスが明確でない事。『汚染水海洋放出は廃炉には避けて通れない』とする政府見解に対し、廃炉の目途もた

っていない時点での廃炉の合理性は無いのではないかと迫ってみた。

経産省も東電も正当化について答えられない】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2024-01-10

『原子力規制委員会は当初から汚染水海洋放出を提案していた』との更田氏。汚染水海洋放出による風評被害対策費に2500億円程度の予算をつけていた事を指摘。これらの費用はすべて税金であり、国民が負担。JAEAも廃炉に関する研究開発費も、文科省の予算によって支払われている。全て国民負担。
東電が起こした原発事故によって、どれほど国民負担が増えているのだろう。全て闇の中。国民には知らせていない。東電も知らん顔・・

最後に福一を8月に見学した時の印象が、原子炉建屋間に狭すぎる事だった。そこで原子炉建屋間の間隔が短い事、敷地の面積が狭い事。規定すべきではないかととの質問にも、各国の規制を解説し答えてはくれたが・・日本には規制がない?どこで規制を作るのか??

福井県には多くの原発がある。同じ半島に数か所もの原発がある。その原発間の距離が非常に短い。どこかの原発に事故起きたら、近くの原発で働くスタッフは、その事故原発の前を通って避難する羽目にもなる。

ここでは書ききれないほど、質疑応答・議論はしたが、そこで何かが変わるものではないが、問題提起はできたはず・・・しかし東電や経産省にどこまで伝わるであろうか??


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